海辺から拡がる、
青島の新しい景色

揚松 晴也 株式会社 Libetyship 代表取締役/青島プロジェクト株式会社 取締役

僕が青島に暮らすだけでなく、働く場所として会社を設立したのは、このエリアへの憧れがありました。関東地方で暮らすまで古い観光地という印象でしたが、宮崎にUターンしたことをきっかけに、青島の魅力を知るようになりました。そこからいつかは青島で素敵な空間づくりをしたいという気持ちを強く持つようになっていきました。

今年、Libertyshipとして、青島ビーチパークの企画や広報に参加します。青島ビーチパークは、一年を通じて海辺に人のいる景色を創るというテーマでスタートしていますが、初めて一年間を通して開催されます。海水浴といったアクティビティだけでなく、海辺での生活を愉しむということをより具体的にイメージしてもらえるような展開を考えています。

青島プロジェクト株式会社としても、青島ビーチパークで営業する『uminoie』の運営に携わることになりました。『uminoie』は業態でいえばカフェなのですが、一年を通じて心地よい時間を過ごすためのお手伝いをする、というのがミッションです。夏限定ではない新しい形の海の家という意味を込めて『uminoie』としました。これまでは複数の飲食店が営業していましたが、それが一つになることによって、よりパーク=公園としての性格が打ち出されるはずです。単純にくつろいだり、仕事をしたり、子どもたちが遊んだり、来た人たちの過ごし方が拡がるのではないかと期待しています。

拡がるといえば、隣接する青島ビーチヴィレッジもオープンします。単に施設が出来るのではなくて、これから50年という視野で青島に豊かな景色を描くプロジェクトだと捉えています。青島ビーチパークと連携していくことで、より新しい海辺での過ごし方を創ることができるはずです。一方で、青島エリアにはカラーの異なる個性的なお店やスポットがたくさんあります。パークやヴィレッジだけでなく地域のいろいろなショップやコンテンツが、点と点でつながって線になり、面をなしていくことで、青島に豊かな景色が描かれるのだと考えています。

揚松 晴也

株式会社 Libetyship 代表取締役/青島プロジェクト株式会社 取締役

1986年生まれ、宮崎県出身。2013年 株式会社アラタナ入社。2015年 スタートトゥデイ(現ZOZO)グループに編入されて以降、ファッションECに特化したフルフィルメント業務支援の運営に携わる。2019年、宮崎市青島に株式会社Libertyshipを設立し、ECやWEBのプロジェクトマネジメント事業を営む。2020年 国産杉を活用したサウナブランド「ONE SAUNA」をローンチ。2021年 青島ビーチヴィレッジを運営する青島プロジェクト株式会社の取締役に就任する。

vol.08 2022 04/29-

Photpgrapher

Kimiyuki Kumamoto

Writer

Satoshi Ogura
Arisa Kuramoto

Art Director

Osamu Goto

Producer/Director

Hideo Miyahara

HERMIDA’S

変わらずに訪れる、少しだけ特別なこの街の夏

昨年NY Brooklynから移住してきたHERMIDA夫婦と、看板犬DAIKONによる、カフェ・バースタンド併設の美容室「HERMIDA’S」がオープン。電気や水道管以外は全てDIYで作ったのだという店内では、イラストレーターでもある夫・ハムさんの作品も随所で楽しむことができる。

ロゴももちろんハムさんによるもので、ニューメキシコをイメージしたという明るい店内と、同じく明るい雰囲気を持つ2人にぴったりだ。ヘアスタイリストである七生さんは山梨県の出身。2009年に単身N Yへ渡り、以降活動を続けてきた。

「今はNYと宮崎のいい意味でのギャップを楽しんでいます。宮崎を訪れる人みんなが言うように、人も温かいし料理も美味しい。地元である山梨から家族が遊びにきてくれたりもして、海外にいる時よりも家族との時間を増やせていることや、いつでも気軽に海に行くことができるのも嬉しいです」

カウンターではコーヒーやビール、ジンなどのお酒も楽しめる。どうしてカフェ・バースタンドを併設したのか尋ねてみると、自分達の好きなものを詰め込んだらこうなりました!と笑って教えてくれた。

「コミュニティスペースの役割もできるといいなと思っていて。別に髪を切らなくてもいいんです。ただコーヒーを飲んでおしゃべりをするために来てもらってもいい。普通の美容室はたくさんあるけど、私たちだからこそできるスタイルでやっていけるといいですよね。NYにはいろんな人種の人が住んでいるから、その人の髪質や肌の色に合う髪型やスタイリングを提案していく必要があるし、日本でやるよりは少し複雑だったかも。そんな中でスタイリストをやってきたので、似合うスタイルを見つけるのは得意だと思いますよ」

NYではとにかくいかに順応するかが大事、と七生さん。髪を切ってもらうもよし、気さくな2人と、懐っこい一匹とのおしゃべりを楽しむのもよし。元気をもらえる空間にぜひ足を運んでみて。

HERMIDA'S

ハーミダス

【住所】宮崎市熊野1606-3
【営業時間】10:00~22:00 (日曜は10:00~21:00)
【Instagram】hermidasfrombrooklyn

vol.09 2022 04/29-

Photpgrapher

Kimiyuki Kumamoto

Writer

Satoshi Ogura
Arisa Kuramoto

Art Director

Osamu Goto

Producer/Director

Hideo Miyahara

青島の海の在り方を、
縦と横に紡いでいきたい

伊藤 智彦 青島振興青年会事務局 事務局長

「やさしい海にする、というのが僕らが願い続けてきたこの海の在り方です。それはずっと変わらないし、これからの未来に繋いでいきたいものです」

宮崎市出身で青島在住の伊藤智彦さん。サーフィン、ロッククライミング、トレイルランニングにトライアスロン、ボルダリングと、どんなフィールドでも能動的に遊べてしまう同氏にとって、宮崎はまさに天国のような街なのだそうだ。

「この場所ができたことをきっかけに少しずつ状況が変化して、個人の飲食店など強いローカルビジネスも増えた。色々な国や街を旅してきましたが、魅力的な街が生まれるまでの過程で、ハレーションが起きることも少なくないんだと感じています。でもそうやって生まれるミックスカルチャーやユースカルチャーが根付くことで、世界中の人に注目されるような唯一無二のエリアが育つ。新しいことが始まるのに不安を感じる人もいたとは思うけど、注目されるサーフコミュニティとしていいスタートが切れたと感じています」

“ローカルの人”として見守ってきたAoshima Beach Parkの8年間。オープン当初からのコンセプトは「子どもたちが裸足で走り回れるコミュニティを作ろうという」というもので、彼らが青島で守り続けてきた、子どもにもビジターにもビギナーにも優しい海、という理想にも通じるものがある。

「青島の自然や人のやさしさに惹かれて移住してきた人たちも多い中で、その環境が崩れないように目を配っていく必要があると思っています。多様性という大きな傘の下に、ローカリズムがある。対立ではなく、いろんなものを受け入れる余力が必要なのだということを、みんなで考えていきたいですよね。青島やAoshima Beach Parkというコミュニティが成熟していく過程で、今はいわば2.0、次のバージョンに移行するタイミングなのかもしれない。暮らす人や訪れる人に、青島のよさを伝えて、受け継いでいくためにも、いいコミュニケーションを続けていくことが大事なんじゃないかなと思います」

伊藤 智彦

青島振興青年会事務局 事務局長

vol.10 2022 04/29-

Photpgrapher

Kimiyuki Kumamoto

Writer

Arisa Kuramoto

Art Director

Osamu Goto

Producer/Director

Hideo Miyahara